筋力を高めるための3つ要素

トレーナーの近藤です!

トレーニングをする上で筋肉をつけたい!」「筋力を向上させたい!と考えている方は多いと思います。そこで今回は、 筋力を高める とはどういうことかを学んでいきたいと思います。

 

筋力を高める3つの要素

 

1.筋断面積   

筋肉は太いほど大きな力を出す事が出来ます。

体組成計で測定される筋量はこの筋断面積を測定し、その情報を元に筋量を推定しています。適切な量のトレーニングを実施し、十分な栄養を補給しっかりと睡眠をすることにより、筋肉の繊維は太くなり、大きな筋肉となります!!

 

2.神経の機能

筋肉は脳などの神経からの命令で動きます。

神経からの命令が強くなったり、回数が多くなればその分大きな力を発揮できます。 また、トレーニングを行うことでこの命令がスムーズに伝わるようになり、筋力が向上します。

 

3.筋繊維の組成

筋肉は一般的に3種類に分類されます。

Ⅰ)遅筋繊維(Type Ⅰ)、Ⅱ)中間筋繊維(Type Ⅱ a)、Ⅲ)速筋繊維(Type Ⅱ b)の3種類になります。

速筋繊維「速い力発揮」  と 「強い力発揮」 が得意です。

また、遅筋繊維「持久力に優れる」という特徴があります。

従来では速筋繊維と遅筋繊維の割合は遺伝で決まっており、変化しないといわれていました。

現在では、トレーニングによってその割合を変化させられることが分かっています。

 

筋力を向上させるには??  

上記の3つをそれぞれ向上させる必要があります。

1.筋断面積の向上

回復が可能な範囲の高ボリュームでトレーニングを実施する事で効率よく筋肉を大きくする事が出来ます。ここでのボリュームとは、「重量(強度)×回数」です。より重たいものを多く持ち上げた方が効果的となります。しかし、ここで大事なのは 回復が可能な範囲で ということです。

十分な栄養・睡眠をとり、回復をして初めて筋肉が大きくなってくれます!

 

2.神経の機能の向上

同じボリュームのトレーニングでも、高重量(強度)を使った場合と低重量(強度)での場合では、高重量の場合の方が筋力の向上が大きかったと報告されています。この時の筋力向上の差に神経の機能向上が関わているとされます。

高重量(強度)でのトレーニングした方が神経の機能の向上には優位の働く可能性があります。

 

3.筋繊維の組成

ある研究で、トレーニングをする際に「〇〇㎏を△△回、◇◇セット」とあらかじめ決めずに、トレーニング中の速度を測定、その速度が〇〇%低下したところでセットを終えるといった方法でトレーニングを実施しました。

その研究では20%の速度低下で終了した場合は速筋繊維の割合が維持できたのに対し、40%の速度低下で終了した場合は速筋繊維の割合が低下したことが示されました。

 

トレーニングを疲労困憊まで行うと速筋繊維の割合が減少する可能性があるという事です。

このトレーニング方法は「Velocity Based Training」と言われ、現在注目されています。

また、速筋繊維の割合いを増やす方法も研究されているのでそちらは次の機会にでもお伝えできればと思います。

 

まとめ

筋力を高めるのには3つの要素があり、それぞれを向上させる必要があります。

しかしながら、トレーニング方法によって筋断面積の向上に有意なもの、神経機能の向上に有意なもの、速筋繊維の維持に有意なものと種類がある為、目的や必要に合わせて適切な方法を選択する必要があります。

まずは、自身の目的を明確にし、回復が可能な範囲で様々なトレーニング取り組んで行きましょう!!

 

参考書籍・文献

Ahtiainen, JP. et al :Short vs. long Rest Period Between the Sets in Hypertrophic Resistance Training : In fluence on Muscle Strength ,size, and  Hormonal Adaptations in Trained Men. J strength Cond Res 19: 572 ,2005

 Pareja-Blanco . et all : Effects of velocity loss during resistance training on athletic performance , strength gains and muscle adaptations. Scand J Med Sci Sport 27: 724-735 , 2017

編著:勝田 茂:入門運動生理学 第4版 : 株式会社 杏林書院