トレーニングの原理・原則 ③可逆性の原理
トレーナーの近藤です。
今回はトレーニングの原理・原則シリーズの3回目「可逆性の原理」についてです。
~前回のおさらい~
特異性の原理:トレーニングによって得られる効果は行ったトレーニングに依存するため、目的に合わせてトレーニングを行う必要がある。といったものでした。
「可逆性の原理」
当たり前ですが、怪我や体調不良などで、トレーニングをしばらく中止すると
トレーニングで向上した体力(筋力・筋持久力など)は低下していきます。
この性質を「可逆性の原理」と言います。
「ディトレーニング」
継続してきたトレーニングを減少・中止する事、またそれにより向上した体力などが減少する事を専門用語で「ディトレーニング」と呼びます。
ディトレーニングは筋力や筋の大きさ、心肺機能をはじめスポーツのパフォーマンスにも影響を与えるとされます。
具体的には、
筋肉では、筋量・筋力の減少(4週間で約10%前後の低下)が起こると報告されています。
心肺機能においても、持久力の指標である最大酸素摂取量がトレーニング中止に伴い低下するほか、筋肉に貯蔵されるエネルギー(グリコーゲン)の量も減少するとされています。
長期間のトレーニング中止からの復帰では、筋力などの低下により怪我も発生しやすくなります。これらの事を踏まえて長期の休み明けなどは、段階的にトレーニングを再開していきましょう!
参考文献・書籍
Essentials of Strength Training and Conditioning 第4版:ブックハウスHD
Mujika, I. ,and Padilla. S :Detraining: Loss of Training-Induced Physiological and Performance Adaptations. Part I Short Term Insufficient Training Stimulus :Sports Med. (2000)
Mujika, I. ,and Padilla. S :Muscular characteristics of detraining in humans: Medicine & Science in Sports & Exercise 33. (2001)
Izquierdo, M. et al :Detraining And Tapering Effects on Hormonal Responses And Strength Performance: Journal of Strength and Conditioning Research. (2007)